どうもデザてくです。
今回は、放射線技師では取得している人が多くポピュラーな資格である
「X線CT認定技師」
について、
受験資格から、取得するメリット、個人的な勉強方法についてご紹介していきます。
タップできる目次
受験資格
「X線CT認定技師」は、日本X線CT専門技師認定機構が主催しています。
受験資格は、
X線CT認定技師試験の受験資格
- X線CT認定技師講習会(本機構主催)またはX線CT認定技師指定講習会(機構が認定した指定講習会)の受講
- 診療放射線技師の免許を有し、診療業務経験5年以上
- X線CT臨床実務経験3年以上
となっています。
毎年70−80%の合格率でさほど難しくないですが
少々ネックなのが受験資格なんです^^;
ココに注意
経験年数の条件あり(診療業務経験5年以上かつCTの実務経験3年以上)
試験受験の前に、一泊二日の講習会を受講する必要あり
講習会のウェブ申し込みが受付開始から数分で定員となる
これら3つの条件により、取得までが地味に大変な資格と言えます。
ちなみに、講習費用は1万円、試験料は1万円、合格後の認定料が五千円がかかります。
資格を取得するメリットは?
この資格を持っていると給料が上がるか?と言うと
残念ながら上がりません(診療応酬に加算されてませんし)
第一種放射線取扱主任者と医学物理士に関しては、いくつかの病院で辛うじて聞いたことがあるくらいです(私が働いている病院はありません、、、)
では、お給料も増えない、受験するにも厄介な資格をとるメリットは一体なんなのか?
正直、放射線技師は日常業務さえこなしていれば、特に勉強しなくてもそれなりにはやっていける仕事だと思っています。
でも、、、放射線技師という仕事を一生続けていくとして、ただ医師の指示に従ってボタンを押すだけなんてつまらないですよね?
誰からも尊敬されない意識されない1スタッフとして働くよりも、
どうせなら周りから評価され一目置かれる人間として楽しんで仕事したいですよね!
しかし !
技師の業務にはサラリーマンの営業のような売り上げ成績といった誰がみても分かりやすい評価の指標がありません。
つまり同僚たちの中で、誰が優秀かどうかは客観的に評価され辛いのです。
では資格を取れば評価されて出世確定?
それも違います。
正解は、
部署内のプロジェクトが発足したとき
ココがポイント
プロジェクトに合致した資格保有者が優先的に責任者に任命され、実績を積み重ねていくことで今後の評価につながっていくのです!
資格を取ってからがスタート!
ですので資格を取ることが目標ではなく、取ってからがスタートですね!
CT認定技師の資格を取得したら、まずはCTの線量や撮影プランの見直しを進めていきましょう。
これらの業務は一度見直せばおしまいではなく、法改正や機器更新、検査の多様化によって継続的に必要とされる業務です。
日常業務をただこなすだけではなく、自分にしかできない仕事をやりましょう
未来の自分に投資するつもりで資格をとって、患者さんのための取り組みを一つでも多くチャレンジしていきましょう!
私も数年前にこのX線CT認定技師を取得して、現在もCT業務を担当しています。
この資格を取得して良かったと思っていることは、
X線CT認定技師を取得して良かったこと
自分に自信がついた
CT関連のプロジェクトに任命された
CTに対する興味や理解がより深まった
得た知識が後輩や実習生への教育に役立った
CTについて改めて基礎から臨床まで理解することで、頭が整理され検査にも自信を持つことができます。
試験対策ノート
基本的には認定講習会を受けたときにもらえる「X線CT認定技師講習会テキスト」をまるまる一冊勉強する事です。
内容もそんなに難しくはありませんが油断は禁物です。
テキストの内容だけでも、理解すれば9割は取れます。
それくらい出題範囲はテキストだけやっていれば十分です。
テキストは前半の第1章〜4章までのCTの基本的な原理や被ばくについての内容と後半の5章〜11章までの各疾患領域ごとの内容とで大きく分かれます。
オススメの勉強法は、
暗記にだらだらと時間をかけてしまうとテキストが進まず非効率的です。
まずはサクッと全体を一周してから細かいところを覚えていくのがオススメです。
私が暗記用にまとめたCTの特徴(原理部分)についての勉強ノートです。
参考にしていただけたら幸いです。
CTの特徴
- CT値の階調数:12bit(4096階調):現在の装置は12−16階調
- モニタの表示階調:8bit(256階調)
- ボウタイフィルタ(bowtie:蝶ネクタイ):患者は通過するが検出器には検出されない軟線を除去する。
- DAS:検出器(シンチレータ+フォトダイオード)から送られた信号は、DASにてA/D変換がなされコンピュータに送られる。
- ブルーミング効果:管電流が大きくなることにより焦点サイズが大きくなり、解像度に影響する場合がある。
- CT値:水の2倍の線減弱係数は+1000(骨皮質)。12bitのCT装置だと−1000〜3096HUまで
- 投影:順投影。透過強度を測ること。物体が全くない場合の透過強度をI0として、物体の透過強度をIとしたとき、その比I/I0の対数を取ることで透過経路上の線減弱係数の和を求めることができる。この和の分布が投影データとなる。
- 逆投影:投影データを単純位重ね合わせることで極端にぼけた画像が再構成される。
- ハーフリコンストラクション:時間分解能を向上させる手法⇨ノイズの上昇、均一性の低下が問題。
- コーン角補正:8~16列以上で問題となる⇨3次元逆投影法(Feldkamp)、斜平面の中間画像(AMPR)などで補正。
- ヘリカル再構成法:360度補間再構成はスライス厚の増加が発生。180度補間再構成法。
- ピッチファクタ:一回転あたりの寝台移動距離/ビーム幅(検出器の幅)
マルチスライスCTにおける問題点
- オーバービーミング:Z軸方向で検出器以外に照射される放射線のこと。
- オーバースキャニングorオーバーレンジング:スキャンの始まりと終わりでの画像再構成に利用しないX線の照射のこと。スキャン範囲が狭いほど影響が大きい。対策としてアクティブコリメーションがある。
アーチファクト
- ビームハードニング:円形被写体の中央部のCT値低下、後頭蓋下のダークバンド。
- ヘリカルアーチファクト:肋骨や椎体に多い。Z軸方向のサンプリング不足が原因。
- ウインドミルアーチファクト:上記のヘリカルアーチファクトがマルチスライスCTでは複雑となり風車状のアーチファクトを呈することがある。
- ステアステップアーチファクト:螺旋階段上のもの(ローテションエフェクト)、階段状のもの(エリアシングエフェクト)
- コーンビームアーチファクト:DAS数が多い場合(64列など)で発生。骨の周囲のギラつき。
画像処理
- 画像フィルタ(後処理):ローパス、高周波強調(アンシャープネスマスク処理、ラプラシアン処理)フィルタリングを施すことができる。3×3から7×7程度のフィルタリングマトリクスを用いた空間フィルタリングが自動で行う機能を有する装置もある。
- 非線形フィルタ:画像の条件に応じてフィルタ係数を変化させる処理。「量子フィルタ」や「ASA」などの名称がある。エッジ成分はそのままに、エッジのない部分に平滑下処理を行う。高コントラストに有用。
- 逐次近似法:線量や物体コントラストに応じて解像度やノイズが変化するので、SDやワイヤ法で評価することができない。
3次元画像処理
- MPR:画素値がCT値そのもの。通常のCT画像と同様のウインド処理可能。Axialでは把握困難な周囲構造物との関係がわかる。
- MIP:ノイズの影響を受けにくく、低いコントラストに有効。
- VR:MPR、CPRはあくまで面画像、MIPは物体の前後情報は表現されない。これに対して、VRは物体の前後情報や形状の凹凸を実際の視覚と近い形で再現できる。被写体の内部情報をCT値として反映して表現する。不透過度(opacity)で物体の表示輝度を調整したり、カラーレンダリングでCT値レベルに応じた色分け表示、複数の臓器を異なるボリュームで作成し合成したりして、よりリアルな3次元画像が作成可能。術前シミュレーションや患者への説明用画像として利用。ただし、描出能が作成者の主観的要因に影響されやすい。
- 不透過度:効果的に用いることで離れたCT値の物質を同時に描写することも可能。
まとめ
簡単にですが、X線CT認定技師の試験についてのまとめです。
取得するまでのプロセス自体も非常に意味のあることなので、是非チャレンジしてほしいです。
最後までご覧いただきありがとうございました。